『真くん、息子の家建ててくれ！』と唐突なご来店から２年。

３０年前にお世話になっていた上司だった方。

めちゃ怖い方だったはずが、

初老になられて優しそう。

『ちょっと道は狭いかも？』

と現地にお伺い。

人里離れたいい感じの山間の場所。

いやいや、ちょっと狭い所では無い！

なんなら途中、崖もある感じの道。

建て替えではおありですが、

裏山とガッツリ接近。しかも崖。

実家ともくっ付いたりしてて、

どうやって壊そうかと悩んでいると、

そもそもその前に

全体的に建物が乱発している『違法建築』。

※昔は確認申請もない建物が多く、

現在の法律に照らし合わせて、

基本的には改善しなくてはならない。

本当に『家は建てれるんだろうか』

建築確認申請という法律の部分と、

銀行融資を受ける部分で、

かなりなハードル。

お施主様も頭を抱えて、

一時は家を諦めかけた程。

しかし、そこは私の師匠でもある西岡さんが、

様々な方法で土木事務所にも提案し、

建築確認申請の問題。

崖条例の問題。

※崖との距離や角度による規制

融資の問題。

実質的な安全面の問題。

全て無事クリア。

多分、百戦錬磨の西岡さんだから通ったことで、

通常は無理だと思います。

埋蔵文化財の立会いも完了。

※文化財近辺（特に古墳跡）は調査が必要

お父様とも家の高さや

給水、排水経路の確保も完了。

いよいよ基礎工事。

いざ土を掘っていくと、

『社長！井戸出ました！』

と基礎屋さん。

そう、『井戸』。

幸い枯れ井戸でしたので、

知人の宮司さんに教えて頂いて、

お祀りしていた

御神酒と塩でお祓い。

ようやくコンクリートの打設。

ポンプ車進入時にも、

道が悪く付近の山水を引いている給水管が破裂。

ご迷惑をおかけ致しました。

コンクリートの土間を押さえる姿に

普通に仕事ができる喜びを噛み締めました。

※ちなみに画像は冬季。

冬季はコンクリートの強度をプラス補正しております。

満を持しての『棟上げ』。

通常のレッカー（クレーン）は入らなかったですが、

小型をチャーターできたのと、

人海戦術でなんとかクリア！

モスグリーンの瓦が非常に爽やか。

僕の心も晴れやか！

ちなみにガルバリウム鋼板ですと、

屋根の長さによりますがロングトラックで搬入不可でした。

サイディングの貼り方も、下地の胴縁も、

貫通部の防水処理も、バッチリ。

お打ち合わせさせて頂いてないお客様宅も、

全ての現場へお邪魔しております。

上棟時の記念に付けたご家族の手形。

ここはいずれ隠れてしまう部分ではありますが、

その時の気持ちは一生物の思い出になると思います。

大工さんも顔に似合わず、

可愛い感じのオシャレなアール壁を造作。

仕上げるとこんな感じになります。

アールにも色々な形状がありますが、

ワンポイントで何かしらあるのがオシャレですよね。

お施主様も、私たちも、

何度も心が折れそうになってしまった今回の家づくり。

無事にお引き渡しさせて頂けて、

ご家族に喜んで頂けた事と、

３０年近く前のご縁を大切にしてくださった

お父様へも少しは恩返しできたかな。

と、非常にありがたい経験をさせて頂けた家づくりでした。

以前、下見に何度か通っている折、

休みの日に末っ子とバイクで向かって、

道が狭い上に悪路だったため、

親子諸共、転倒したのはここだけのお話です。

 

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